性病の中でも年間をとおして感染報告のもっとも多い性病といえばクラミジア感染症ですが、クラミジアに次いで感染者の多い性病といえば、淋菌感染症と性器ヘルペスの二つ。
前回、【クラミジア限定で検査キットを比較】検査のやり方、検査費用、病院と簡易検査キットの違いを解説しますという記事でクラミジア検査についてはかなり詳しく解説したので、今回は淋菌感染症を特集します。
本記事では、
というアナタの気になる淋菌感染症の検査方法や検査にかかる料金、保険適用について、そして症状が微妙な状態の方におすすめしたい簡易検査キットの特徴をまとめてみました。 基本、淋病は放置してもよくなりません。1日でも早く対処しておきましょう!
淋病にかかるとどうなる!? 初期症状と感染経路
という方もいると思うので、簡単に淋菌感染症の基本からお伝えしておきます。
淋菌感染症とは
淋菌感染症とは…
淋菌感染症は、淋菌Neisseria gonorrhoeae (gonococci)の感染による性感染症である。淋菌は弱い菌で、患者の粘膜から離れると数時間で感染性を失い、日光、乾燥や温度の変化、消毒剤で簡単に死滅する。したがって、性交や性交類似行為以外で感染することはまれである。
引用 NIID国立性感染症研究所
こんな特徴の性病で、上記のとおり、基本セックス(フェラやクンニもふくむ)でしか感染しません!
女性の5人に1人が発症するカンジダ膣炎、温泉やプールでも感染しかねないトリコモナス膣炎などとは違い、感染経路はかなり絞られてきます。
淋菌感染症の感染経路、治療期間と2つの特徴
また淋病(淋菌感染症)の感染経路や治療期間、主な症状は以下のとおり。
感染経路 | セックス、オーラル以外、アナルや尿を使うプレイも可能性あり
分泌液の付着した手で目をこすることで結膜炎になるケースもあり |
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特徴 | ここ数年で男性に急増中 喉からの咽頭淋菌も急増中 |
潜伏期間 | 2日~1週間 |
症状 | 尿道炎から強い排尿痛、尿道から黄色い膿、女性はおりもの増加、頻尿、排尿痛 |
治療法と治療期間 | 治療は抗生物質の服用で、1週間程度で治療可能(症状によっては数週間のケースもあり) |
ポイントとしては
- クラミジア同様、フェラやクンニによって咽頭感染する人も多い!
- 症状としてはクラミジア感染症と酷似している
これらの特長があります。なので今の段階で
- 排尿痛・排尿時の違和感
- おりものの増加・変色・ネバネバ
- 尿道付近から膿(男性の場合)
これらの症状が1つでも当てはまる場合、恐らく淋菌感染症またはクラミジア感染症の可能性が高い状態です。深刻な状態に進む前に1日も早く性病検査を受けておいた方がよいでしょう。
淋菌感染症の検査を先延ばしにすると・・・
という方。早期に発見して早期に治療すれば1~2週間でバッチリ完治できる淋菌感染症ですが、放置するとかなりヤバい状態を引き起こすのです。
- 男性は急性尿道炎として発症するのが一般的であるが、放置すると前立腺炎、精巣上体炎となる。後遺症として尿道狭窄が起こる。
- 女子は子宮頚管炎や尿道炎を起こすが、自覚症状のない場合が多い。感染が上行すると子宮内膜炎、卵管炎等の骨盤内炎症性疾患を起こし、発熱、下腹痛を来す。後遺症として不妊症が起きる。
- その他、咽頭や直腸などへの感染や産道感染による新生児結膜炎などもある。
引用 厚生労働省『淋菌感染症』
クラミジア感染症・淋菌感染症というと、感染者も多くメジャーな性病というイメージで、当ブログ恒例の性病体験談でも2回に1回は登場するほど。しかし放置して悪化させると
「かなりヤバいことになる」
ということは覚悟しておきましょうね。
淋病の治療の第一歩は検査から! まずは感染の有無を確認しよう!
放置するとヤバい事態をまねく淋菌感染症。
少しでも怪しい症状がみられた場合、まずは淋病かどうか確認すべきなのは当然ですが、じっさいにはけっこう多くの方が・・・
という状況から検査を先延ばしにされます。結果、【オシッコと一緒に白い塊が!!】尿道の痛みで発覚した淋菌感染症の体験談のように強烈な尿道の痛みまで進行してから慌てて婦人科や泌尿器科に足を運ぶ方も少なくないんです。
そこで次項では淋菌感染症の検査の種類と検査方法、料金や大きくわけて2つの検査のタイプについて詳しく解説していきます。
淋病を確認する2つの選択肢
まず知識として知っておいて欲しいのは、淋病検査には大きくわけて
- 性病科・婦人科・泌尿器系へ足を運んで受診~検査
- スマホから注文~自宅でこっそり検査キット
という2つのパターンがあるということ。
ひと昔前まではクリニックで検査するのは普通でしたが、最近では家族バレ・知人バレするのが嫌な方を中心に、最新設備のラボが販売する郵送タイプの検査キットを選ぶ方も急増しています。
そこで2つの検査方法を
- 費用が高額
- 検査内容が不安
- 病院へ行く時間がない
という3っつの視点からアナタに合った検査方法を選んでいこうと思います。
淋病検査の費用は思っているより安い!
検査費用が気になって検査を先延ばしされる方もいますが、選ぶ検査、受ける場所よっては思っている以上に費用を安くおさえることは可能です。
因みに淋病にかかる検査費用を安い順にならべてみると
- 簡易検査キットで淋病にしぼって検査 最安
- 婦人科や泌尿器科で保険適用で検査(※ただし性病の症状がないと×)
- 性病科等で自由診療で検査 最高額
と自分で淋菌感染症に絞って検査を選べる簡易検査キットが最安です。淋菌感染症だけなら安いラボなら3,000円台前半からこっそり検査ができますよ。
②の保険適用でのクリニックでの検査も費用面では安くておすすめですが、注意してもらいたいのは稀に家族バレするパターンもあるということ。
何らかの理由から絶対に家族やパートナーにバレたくない方は、①の簡易検査キット、または③の自由診療の性病科クリニックから選ぶようにしましょう。
淋菌感染症検査にて健康保険が適用されると、誰が・どこの病院で・どんな検査を受けたのか…という情報がしっかり記録されます。で、後に被保険者のもとに医療費通知として配送されます。このパターンで内緒で淋菌感染症検査を受けてバレるケースもあるので用心しておきましょう
淋病検査に保険は適用できるの!? 保険適用と自由診療の検査費用を比較
また淋病検査をうけるにあたって・・・
という方も多いと思うので、性病検査と健康保険についても解説しておきます。
淋病、淋菌感染症、尖形コンジローム、性器ヘルペス、亀頭包皮炎などの性感染症は、疑われる症状があれば、検査および治療は保険診療(保険適応)となります。
淋菌感染症(淋菌感染症性尿道炎)の場合は、保険が適応されると、診察料や尿検査費用(尿中淋菌感染症PCR法など)も含めての費用は、合計3000円前後です。
出典 新宿駅前クリニック「性感染症の保険診療」
このように、明らかな性病らしき症状がみられた場合は普通に保険診療が可能。言い換えれば、
- 今の段階で性病のような症状はナシ
- 怪しい相手と関係をもってしまったため、念のため性病なのか調べたい
というケースは残念ながら保険適用されず自由診療扱いとなります。因みに自由診療で淋菌感染症を検査する場合、
と、簡易検査キット、保険適用の場合の2倍くらいの予算で淋菌感染症検査が可能です。
なので検査する場所を選ぶ前に、まず「今現在、淋病の症状が確認できるか?」この部分をハッキリしてから選んでみてください。症状がでている場合は保険適用でクリニックもアリ。
逆に症状がみられない場合、費用や家族バレなど考え簡易検査キットという選択肢もアリですね。
淋病の検査ってどんなこと調べるの? 検査方法を男女別に解説
中には淋病の検査内容がわからないことが不安で検査を先延ばしにされる方もいますが、結論からいうと淋病検査は思いのほかシンプルです。
以下、男女別に淋菌感染症検査の流れをまとめておきます。
男性の場合は尿検査だけ
男性の淋病検査は本当にシンプルです。
簡易検査キットに付属しているコップの中に尿を取り、同じく付属した大きなスポイトのような容器内に尿を吸い上げ、漏れないようにキャップをしめて申込みのシールを貼って、検査申込書・問診票と一緒に返信用封筒に入れて返送すれば完了です。
注意点として、出始めの尿の方が検査結果が正確にでるためおしっこの最初の部分をなるべく採取するようにしてください。
女性の場合も比較的かんたん
簡易検査キットに付属している綿棒を1本取り出し綿棒を膣入口から4~5cm挿入、同じ方向に7~8回回転させ、まっすぐ静かに引き抜いてください。
綿棒中央の線を容器のフチに合わせ折り曲げ、容器のキャップをしっかり閉めてから検査申込書・問診票と一緒に返信用封筒に入れて返送するだけです。
咽頭淋菌感染症の検査の流れ
また中には
という方はせっかくなら咽頭淋菌の検査もしておけば安心です。
ちなみに咽頭淋菌感染症の検査方法は2つあり、楽ちんな上、検査精度が高いタイプが「うがい液採取」です。広範囲に採取できる上、淋菌感染症の検出率も高いため咽頭淋菌感染症もあわせて検査される方は是非うがい液採取の簡易検査キットをおすすめします。
検査方法は先ほどご紹介した尿検査が「うがい」に変わっただけで、ほぼ内容はかわりません。
病院へ行く時間がない!恥ずかしい!こんな人こそ簡易検査キット
最後はこの部分。費用や検査内容は問題ないけど
という方。
すでに何度もお伝えしていますが、昨今では性病検査の中心は病院⇒郵送タイプの簡易検査キットに移りつつあります。
病院で淋菌感染症検査した方が安心できるというメリットもありますが、病院でも郵送タイプの簡易検査キットでも最終的な淋菌感染症検査を行うラボは同じような専門のラボです。
婦人科や泌尿器科、性病科にくらべ
- 低価格
- 家族バレ・パートナーにもバレない
- 好きな時間に好きな場所で検査可能
などの理由から、病院へ足を運ぶ余裕のない方、何が何でも絶対にバレたくない方には郵送タイプの簡易検査キットがおすすめですよ。